韓国の文大統領、核配備の可能性を否定
ソウル(CNN) 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は14日、韓国に核兵器を配備する可能性を否定し、もし配備すれば「北東アジアの核軍拡競争」につながりかねないとの危機感を示した。
文大統領はCNNの取材に対し、「北朝鮮の核の脅威を前に、韓国が独自の核兵器を開発する必要がある、あるいは戦術核兵器を再配備する必要があるという意見には同意しない」と語った。北朝鮮が6回目の核実験を実施して以来、文大統領がテレビの取材に応じるのは初めて。
一方で文大統領は、「北朝鮮の核開発進展を前に、我が軍の能力を発展させる必要がある」と指摘した。
韓国国防相は今月に入り、北の脅威に対抗するため、朝鮮半島への米戦術核兵器の再配備は検討に値するとの見方を示していた。米国のマケイン上院議員も、再配備を真剣に検討すべきだと発言している。
調査機関ギャラップが韓国で実施した最新世論調査では、回答者の60%が韓国独自の核兵器を保有することを支持。反対は35%にとどまった。
しかし文大統領は、「北朝鮮に対抗して我が国独自の核兵器を保有しても、朝鮮半島の平和は維持できず、北東アジアにおける核軍拡競争につながりかねない」と指摘する。
韓国と米国との間では亀裂が深まっているとの観測もある。米国のトランプ大統領は今月に入ってツイッターに、「北朝鮮との融和的な対話がうまくいかないことを、韓国も理解しつつある」と書き込んでいた。
これについて文大統領は14日のインタビューで、「トランプ大統領は、韓国と米国だけでなく、中国やロシアも力を合わせて北朝鮮の核の挑発に断固として対応する必要があると言いたいのだと信じる」とコメントした。