ドイツ連邦議会選、メルケル首相が4選 右翼の躍進際立つ
ベルリン(CNN) 24日投票のドイツ連邦議会選挙は与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が第1党の座を維持し、メルケル首相の4選が確実となった。一方で反移民・難民を掲げる右翼の新興政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の躍進が目立っている。
公共放送ZDFが調査機関FORSAに依頼した出口調査によると、CDU・CSUの得票率は33.5%と、2013年に実施された前回選挙の41・5%から下落。大連立を組んでいた社会民主党(SPD)も同25.7%から21%に下がり、ともに1940年代以来で最悪の水準となった。
一方、13年に結成されたばかりのAfDは13%の票を獲得する見通し。右翼政党としては61年以来の連邦議会入りを果たして第3党に躍り出た。
メルケル首相はこの結果を受け、国民の「信任」を得たと宣言した。だが一方でAfDの議会入りを「大きな課題」と位置付け、同党の支持者らが抱く懸念を「徹底的に分析」する必要があると述べた。
SDPのシュルツ党首はこの結果に「失望した」と述べ、大連立は継続しない方針を示した。SDPが連立政権にとどまれば、AfDが「最大野党」になってしまうという事情もある。
AfDはメルケル首相の移民受け入れ政策に反対を唱えて支持を集めてきた。ベルリンを含む東部での得票率は特に高く、21.5%を記録した。こうした結果に対して同市内の党本部前では抗議デモが起き、参加者が「ナチスは出て行け」「難民歓迎」などのスローガンを叫んだ。
メルケル氏は今後、緑の党や市場重視の中道右派、自由民主党(FDP)との連立を模索する見通しだが、交渉は難航しそうだ。