ロヒンギャ問題、「民族浄化」とは認定せず 米国務長官
(CNN) 米国務省のティラーソン長官は15日、訪問先のミャンマーで、同国の事実上の指導者アウンサンスーチー氏との共同会見に臨み、少数派イスラム教徒ロヒンギャの住民虐殺が伝えられるラカイン州の状況について、独立した立場からの徹底調査を呼びかけた。
国連がロヒンギャ問題を「民族浄化」と位置付けていることについては、民族浄化と認定するためにはもっと情報が必要だとの見解を示した。
ティラーソン長官は会見の中で、「ミャンマー治安部隊による残虐行為横行が伝えられたことを非常に憂慮している」と述べ、「ラカイン州で起きた事態は多くの点で、人道に対する罪の性質をそなえる」としながらも、「民族浄化の全基準を満たしているかどうかについては、我々自らが判断する」とした。
支援団体によると、8月25日以降、ミャンマーから隣国バングラデシュへ逃れたロヒンギャは61万5000人を超す。
しかしティラーソン長官は、ミャンマー政府に対する広範な制裁を科したとしても事態は解決できないとの立場を崩さず、「我々が望むのはミャンマーの成功であり、民主主義の成功だ」と強調した。