韓国亡命の北朝鮮兵士、生命維持装置を装着 2度の手術
ソウル(CNN) 北朝鮮軍の男性兵士が南北を隔てる非武装地帯(DMZ)を越えて韓国国内に入る際に銃撃され負傷した件で、この兵士が2度にわたる手術の後も生命維持装置を付けた状態にあることが16日までに分かった。治療に当たる医師らが明らかにした。
医師らの発表によると、男性は北朝鮮軍から銃弾を浴びつつ韓国へと逃走する中で、臀部(でんぶ)や両腕、背中、膝に5回の銃撃を受けた。韓国軍は、この兵士に対し拳銃やAK47ライフルから銃弾40発以上が発射されたとしている。韓国軍兵士は応戦しなかった。
兵士は銃撃直後にDMZで最初の手当てを受けた後、韓国の首都ソウル近郊にある亜州大付属病院にヘリコプターで搬送された。病院到着から30分後には「緊急オペ」を行うため手術室に運び込まれたという。
兵士は手術後、約33時間にわたり集中治療室に入り、15日未明に再び手術を受けた。医師らによると、現在は「集中治療室で鎮静剤が投与されている状況で、生命維持装置を使った人工呼吸が続けられている」という。
医師らはまた、脚や臀部に関してはさらなる手術が必要になる公算が高いと付け加えたほか、今回の負傷の影響により、恒久的な神経損傷やまひを被る可能性もあると指摘。
銃弾の一つにより小腸が破裂したため感染のリスクが高く、腹腔(ふくこう)や消化系内では寄生虫などが発見されているとも明らかにした。
寄生虫などによる汚染は深刻で、大量出血によるショック状態に陥っていた時間が長かったことから、一般的な外傷患者に比べて予後は悪くなる見通しだとしている。