北朝鮮メディア、トランプ氏演説に反発 「大きな代償払う」
(CNN) 北朝鮮の国営メディアは15日、トランプ米大統領が韓国訪問時に行った演説について、北朝鮮の最高指導者である金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長を侮辱する内容だったとして強く非難した。そのうえで、こうした態度に出たトランプ氏はいずれ「大きな代償を支払うことになる」と警告を発した。
就任後初めてとなるアジア外遊で韓国を訪れたトランプ氏は8日、韓国国会で演説を行った。その中では金委員長に直接呼びかける形で北朝鮮の現体制を「暗黒の幻想」と批判。「暗黒の道を一歩進むたび、あなたはより多くの危険に直面する」「現在の北朝鮮はあなたの祖父が夢見た楽園ではない。地獄だ。誰にとってもふさわしい場所ではない」などと語っていた。
朝鮮労働党の機関紙、労働新聞はこうした内容に社説で強く反発。「トランプ氏はあろうことか、悪意を持ってわが国の最高指導者の威厳を傷つけた。決して許されない最悪の罪である」と断じた。
さらに「トランプ氏は自らがおぞましい犯罪者であると知るべきだ。北朝鮮の人民は同氏に死刑判決を下した。今回の冒瀆(ぼうとく)に対して大きな代償を支払うことになるだろう」と威嚇した。
この社説は国営の朝鮮中央通信(KCNA)でも報道された。
北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)によって米国を攻撃する能力があると明言するなど、同国に対し、北朝鮮側が侵略とみなす行為を控えるよう牽制(けんせい)している。
北朝鮮問題に詳しい韓国・ 延世大学のジョン・デルーリ教授は、今回のトランプ氏の演説が北朝鮮側にとってとりわけ扇動的だったと指摘。「極めて強い反応が起こるのは避けられなかった」との認識を示した。