トランプ氏、核合意「修正なければ離脱」 制裁解除は継続
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は12日、米欧など6カ国とイランの核合意に基づく対イラン制裁の解除を継続すると発表した。一方で、制裁再発動を見送るのはこれが最後になると警告し、欧州諸国に対し「合意のひどい欠陥を修正しなければ米国は離脱する」と通告した。
制裁適用の解除は120日ごとに更新が求められている。
トランプ氏は声明で、「今回は核合意関連の一部の制裁の適用を見送るが、それはイラン核合意のひどい欠陥を修正するという欧州の同盟国の合意を確保するためだ。これが最後のチャンスだ」と主張。こうした合意に達する見込みがないと判断した場合、直ちに核合意から離脱すると表明した。
トランプ氏が離脱を示唆したことにより、核合意は締結以来最も不安定な状況に置かれた形となっている。この合意は2015年7月、イランの核開発を抑える目的で同国と米欧など6カ国の間で締結された。
トランプ氏は制裁再発動の見送りと合わせ、イランの14の個人・団体に対する新たな制裁を発表した。制裁対象となったのは、人権侵害や弾道ミサイル開発の支援に関わった個人と団体。核合意の対象外の措置となり、その多くが最近のイラン国内での抗議デモへの取り締まりに対抗した形となっている。
トランプ氏が制裁再開の見送りを決定したのは2度目。昨年10月には、イランが「多くの合意違反」を犯しているとして核合意の順守を認定しなかったが、議会に対し制裁再開を要求するには至っていなかった。
トランプ大統領は、核開発のさらなる抑止のほか、現在合意の対象外となっている弾道ミサイル開発の阻止も視野に入れ、制裁再開を可能とする新たな発動条項を求めている。米高官はこれについて、イランが核開発により核兵器を入手するまでの期間を最低1年以上確保するとともに、現在の合意で規定する15年の期間の経過後も核兵器の入手を阻止するのが目的だと語った。