米主導軍、シリア空爆でISIS戦闘員150人を殺害
(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討作戦を続ける米軍主導の有志連合は23日、シリアで20日にISISの本部と司令部を空爆し、戦闘員約150人を殺害したと発表した。
有志連合の報道官がCNNに語ったところによると、ユーフラテス川流域の渓谷にISIS残党の支配する町があり、そこに置かれたISISの施設を攻撃した。
有志連合内の複数の情報機関や、米軍が支援するクルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」からの情報に基づいて標的を定めたという。有志連合は、この施設にいたのはISIS戦闘員だけだったと述べ、民間人が犠牲になった可能性を否定した。
米軍当局者によると、米海軍のFA18戦闘機と無人機が空爆を実行した。
これほど多数のISIS戦闘員が1カ所に集まることは珍しく、有志連合はそのチャンスを狙って攻撃したという。
有志連合の特殊作戦部隊を率いるジェラルド司令官は、「シリア解放への戦いは終結からほど遠いという我々の主張が裏付けられた」と話し、有志連合とSDFによるISIS掃討作戦を緩めるわけにはいかないと強調した。
シリアでは最近、トルコが北西部のクルド人支配地域、アフリンへの軍事作戦を開始した。トルコはアフリンのクルド人勢力だけでなく、SDFのクルド人メンバーも分離独立勢力として敵視している。
一方、米軍当局者はCNNに、ユーフラテス川渓谷でISISと戦うSDFの部隊はアラブ人が8割、クルド人は2割だと説明。SDF全体の構成も、約5万7000人のうちアラブ人が52%を占め、クルド人は48%で半数を切っていると語った。