滅亡まであと2分、「終末時計」進む 北朝鮮の核開発が要因
(CNN) 人類滅亡への残り時間を象徴する「終末時計」について、核兵器などの脅威を分析する専門家らは、25日の時点で滅亡の時を表す午前0時まであと2分に迫ったとの見解を示した。昨年から30秒針が進み、これまでで最も滅亡の日に近づいたことを意味する。
終末時計は米科学誌「ブレティン・オブ・アトミック・サイエンティスツ」が1940年代から続けている分析に基づいて発表される。
今回の報告では、世界の安全保障に最も重大な脅威を及ぼしているのは核問題だと指摘。「北朝鮮の核兵器開発プログラムは2017年に著しい進展を遂げた。これにより同国並びに当該地域の各国、米国に対するリスクが増した」「誇張された言説や挑発的な行動が双方からなされ、偶発的な要因もしくは見込み違いによる核戦争勃発の可能性が高まっている」とした。
とりわけ懸念されるのは、各国の政策立案者の間で科学的データに依拠する姿勢が薄れつつあるように見える点だという。記者会見に出席した理論物理学者のローレンス・クラウス氏は「実証された事実から乖離(かいり)した公共政策はわれわれ全員を危機に陥れる」と主張。「必要なのは根拠に基づいた政策立案であり、政策のための根拠の捏造(ねつぞう)ではない」と付け加えた。
終末時計の残り時間が2分となるのは、米国と旧ソ連が水爆実験を行った1953年以来。「終末」が最も遠のいていた1991年、午前0時までの残り時間は17分だった。