米空母がベトナムに寄港、両国の関係が「新たな高みに」
ベトナム・ダナン(CNN) 米空母カールビンソンは5日、ベトナム中部のダナンに寄港した。米空母によるベトナムへの寄港は40年以上前に終結したベトナム戦争後で初めて。米海軍太平洋艦隊のスコット・スウィフト司令官は「両国の関係は過去数年の間に新しい高みに達した。カールビンソンのベトナムへの寄港はそれを反映したものだ」と述べた。
兵員や航空要員など約5000人が乗り込むカールビンソンは4日間の日程でベトナムを訪問。かつては敵対した両国の親善関係を強化する好機だとしている。
一方で、専門家からは、カールビンソンの寄港は中国政府に対する牽制(けんせい)との見方が出ている。中国は南シナ海で人工島を建設し軍事拠点化を進めている。
CNNの安全保障の専門家で、米海軍の元将校でもあるジョン・カービー氏は「ベトナムは、中国の南シナ海での積極的な行動を深く懸念している」と指摘。中国がどこに向かうのか懸念しており、この数年は米国との関係改善を求めていたと指摘する。
今回の訪問では、食事会やスポーツイベントなどの文化交流も予定されている。米乗組員の一部は、ベトナム戦争時に森林破壊などのために米軍が用いた枯れ葉剤の犠牲者を追悼する施設を訪問する。