米朝首脳会談、開催地は? 板門店の見方も
(CNN) 米朝首脳が今年5月までの会談開催に合意した問題で、会談が実際に実現するとなればその場所と議題、交渉への道筋や出席者の顔ぶれなどが焦点となってきた。
北朝鮮はトランプ大統領による平壌訪問を強く働き掛ける可能性がある。ただ、原子力問題などを研究する「米科学者連盟」のアダム・マウント上席フェローはCNNの取材に平壌市内の治安状況を考えれば「不可能」と予想。
金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は実権掌握後、北朝鮮を離れたことはなく欧州内での開催は想像出来ないとも指摘。また、北京での会談は予想しにくいとした。その上で、ありそうなのは警備が極めて厳重な南北軍事境界線上にある板門店の施設と占った。
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と金正恩氏は今年4月、板門店の韓国側施設「平和の家」での南北首脳会談を予定している。
北朝鮮にとってトランプ氏が首脳会談に合意したことは既に大きな勝利となっている。米ミドルベリー国際大学院モントレー校のジェフリー・ルイス准教授は、北朝鮮はクリントン元政権以降、米大統領の訪朝を切望し、長年の北朝鮮外交の優先事項になっていたと指摘。
北朝鮮は米国指導者とのいかなる会談でも合法的な核保有国の立場を示唆し、米国と同等な立場で遇されているとの印象を醸成するだろうと指摘した。
米朝首脳会議の提案で米韓関係の亀裂を狙っている可能性にも言及。会談が実現しなくても北朝鮮は和平努力を損ねたとして米国を非難出来る材料も得られる。准教授は「北朝鮮は(和平努力を)試してみたと主張でき、核やミサイル実験を再開出来る」とし、後手に回ることはないと主張した。