医療施設への攻撃が急増、すでに前年の半分の水準 シリア
レバノン・ベイルート(CNN) 世界保健機関(WHO)は11日までに、内戦下にあるシリアで医療関連施設への攻撃が過去数週間急激に増え、今年これまでに67件を記録したと報告した。昨年通年の計112件の約半分の水準に達している。
大半の攻撃は首都ダマスカス郊外にあり、反体制派の拠点とされる東グータ地区で発生。アサド政権軍は先月18日から同地区の制圧を目指し空爆拡大や地上進攻に踏み切っている。
人道支援組織「国境なき医師団」は最近、東グータ地区で政権軍の大規模攻撃が始まった最初の2週間で住民ら1000人以上が死亡と報告。1日当たり平均で71人が死亡する計算となっている。
同組織が支える医療施設が毎日受け入れる負傷者は平均で344人とも指摘。国境なき医師団はこれらデータを支援する20カ所の医療施設から収集。CNNの電子メールでの取材に広範な活動家が塩素、白りんや焼夷(しょうい)弾も用いたとの報告を寄せているが確認も否定も出来ない状況にあるとも説明した。
国連安全保障理事会は先月24日、東グータ地区を含めたシリア内で30日間の停戦を進める決議を採択。安保理とロシアのプーチン大統領は住民退去を急がせるための休戦も促したが聞き入れられず、戦闘が続く状況となっている。