比政府、国際刑事裁判所から脱退 薬物対策批判に反発
(CNN) フィリピンのドゥテルテ大統領率いるフィリピンは14日、国際刑事裁判所(ICC)から脱退するとの声明を発表した。同国大統領の報道官は声明で、ICC創立の協定からの脱退を通告したと述べた。
ドゥテルテ大統領は2016年の就任後、強硬な麻薬犯罪捜査を進め超法規的な手段や人権侵害も疑われ内外から非難を浴びている。この中でICCは今年2月、正式な調査開始を探る予備調査に着手していた。
大統領府報道官は当時、ドゥテルテ氏は人道に対する犯罪容疑などで責められるのにはうんざりしているとして調査開始を歓迎すると述べていた。
ドゥテルテ氏はこれまで自国内の人権侵害を調べる国連も非難。今月初旬の演説では地元警察に国連調査員に協力しないよう指示し、「干渉するな」とも国連を罵倒(ばとう)していた。
国際人権組織「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」の推定によると、フィリピンで16年6月に本格化した違法薬物捜査での死者は約1万2000人。同国政府は約3900人としている。