英物理学者スティーブン・ホーキング博士が死去、76歳
(CNN) 世界的な物理学者として知られた英ケンブリッジ大学のスティーブン・ホーキング博士が死去した。76歳だった。家族の代表者が明らかにした。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されながら宇宙論、天文学、数学の分野でも活躍して科学書のベストセラーなどを執筆し、現代に生きる最も偉大な科学者と呼ばれていた。
英物理学者ロジャー・ペンローズ博士との共著ではアインシュタインの一般相対性理論と量子力学を統合し、ビッグバンやブラックホールの理論を展開した。
ホーキング氏は1942年、イタリアの天文、物理学者ガリレオ・ガリレイの没後300年の命日だった1月8日に、英オックスフォードで生まれた。21歳でALSと診断され、当時の医師からは余命2~3年と宣告されていた。
片手の指を除いてほぼ全身がまひして車椅子の生活を強いられたが、音声合成装置を使った米国なまりの声で話し、活発な研究活動を続けていた。
大学院生時代に結婚した最初の妻と95年に離婚した後、担当看護師だった女性と11年間の結婚生活を送った。ウェブサイトによれば3人の子どもと3人の孫がいる。
08年のCNNとの単独インタビューでは、人類が今後200年生き延びて、その間に宇宙で生活できるようになれば未来は明るいと話していた。
16年の米大統領選を控えた9月、当時のトランプ候補が地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱すると表明したことに対し、375人の科学者が連名で懸念を表明した公開書簡に、ホーキング氏も署名していた。