イランが核兵器開発ならサウジも対抗、皇太子が発言
(CNN) サウジアラビアの国政改革を主導する実力者のムハンマド皇太子は17日までに、敵対関係にあるイランが核兵器開発に実際に踏み込んだ場合、サウジも早急に同様の措置を講じるとの考えを示した。
米CBSテレビとの会見で言明した。サウジはいかなる核兵器の入手も望まないが、イランが開発した場合、疑問の余地なく同じ行動に踏み切るとも述べた。
皇太子はイランの最高指導者ハメネイ師をナチス・ドイツのヒトラーにも例え、両者は共に危険な拡張主義の目標を抱いているとも指弾した。ムハンマド皇太子は昨年11月、ハメネイ師を「中東の新たなヒトラー」とも切り捨てていた。
皇太子は国防相も兼ね、国王の継承順位は1位となっている。
イランの核開発問題を巡っては、核兵器保有への懸念などもあり欧米諸国などとイランが2015年、核開発に一定の歯止めを掛け、経済制裁を解除する合意にたどり着いていた。
ただ、トランプ米大統領はオバマ前政権が手掛けたこの核合意に否定的な見解を示し、2016年の米大統領選では合意廃棄を公約にもしていた。ムハンマド皇太子の今回の発言は、トランプ氏が実際に合意撤回に動いた場合、中東の核兵器競争への懸念を深める材料ともなる。
一方、イランの国営プレスTVによると、同国外務省報道官は皇太子の発言に触れ、反応を示すのに値しないと酷評。妄想的な世間知らずの人物であるとも非難した。
サウジはイスラム教スンニ派が主流で、イランはシーア派の大国。両国はイエメン内戦でも対立関係にあり、異なる勢力を後押ししている。