インドのモディ首相、週内に訪中 習近平主席と非公式会談
香港(CNN) インドのモディ首相が27日から28日にかけて訪中し、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と「非公式の会談」を行う予定であることが24日までにわかった。国境紛争にからんだ緊張の緩和に向けた動きとみられている。
中国の外務省は、モディ首相と習主席が27~28日、中国の武漢市で「非公式の会合」を行うと明らかにした。中国の王毅(ワンイー)外相はモディ首相の訪問が「新しい節目」になると指摘。両国首脳が戦略的な信頼を確かなものとし、紛争を適切に解決するだろうとの見方を示した。
インドと中国は昨年、ブータンに近いドクラム高原をめぐり数カ月にわたるにらみ合いを続けた。インドはまた、中国が進めるシルクロード経済圏構想「一帯一路」の会合に参加しなかった。チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世がインド北東部のアルナチャルプラデシュ州を訪問したことでも両国関係の緊張が高まっていた。この地域は中国も領有権を主張している。
しかしインドと中国は17年後半以降、ドクラム高原をめぐる紛争の解決に向けた合意を受けて、両国関係の修復に取り組んでいる。
インドのスワラジ外相は訪問先の中国で、インドの巡礼者が中国のカイラス山へ向かう際の主要なルートであるナトゥ・ラ峠が再開されると明らかにした。カイラス山は仏教やヒンドゥー教にとっての聖地とされる。同外相は、インド北東部で発生する洪水の予知に必要な川の情報について印中両国でデータの共有を再開するとも明らかにした。
スワラジ外相は、こうした過去数カ月間の進展が両国間の信頼醸成や2国間の関与の理解につながるとの見方を示した。
専門家からは、インド政府がここ数カ月、亡命したチベット人コミュニティーから距離を置く動きを見せていることについて、対中政策の変更を反映したものだとの見方が出ている。