伊首相指名のコンテ氏、組閣を断念 大統領が閣僚人事に反対
(CNN) イタリアの次期首相に指名されていたジュゼッペ・コンテ氏は27日、マッタレッラ大統領との間で閣僚人事に関する意見が折り合わず、組閣を断念する意向を表明した。同大統領は、政治経験のない官僚出身者を新たな首相に指名する考えを示している。
会談の後、マッタレッラ大統領は記者団に対し、コンテ氏による経済相の人選に反対したことを明らかにした。同氏の挙げた候補が実際に経済相に就任すれば投資家に警戒心を抱かせ、イタリア国債の価格に危険な結果を及ぼすことが想定されるためだという。
マッタレッラ大統領は次に指名する官僚出身の首相がだれになるのか具体的に明言していないが、国際通貨基金(IMF)で財政局長を務めたカルロ・コッタレリ氏と28日に協議を行う予定。今後の総選挙の実施にも言及した。
法学者で政治経験を持たないコンテ氏は、新興政党「五つ星運動」と右派政党「同盟」(旧北部同盟)が連立政権の首相候補に推薦していた。
欧州連合(EU)に批判的で、財政支出や大幅減税を公約に掲げるこれらの政党が3月の選挙で躍進したことを受け、投資家の間には動揺が広がっていた。コンテ氏の下で新政権が発足していれば、EUの政治的、経済的統合をさらに進めようとするフランスやドイツとの間に新たな火種が生まれる可能性もあった。