プエルトリコのハリケーンによる死者、実際は4600人超か
プエルトリコ・サンフアン(CNN) 米自治領プエルトリコを昨年9月に襲ったハリケーン「マリア」による死者数が、当局が発表している64人という数字よりもはるかに多い4645人に達する可能性があるとの試算が出ていることがわかった。米ハーバード大学などによる調査結果が29日、医学誌NEJMに発表された。
報告書の執筆者はハリケーンによる死者数が「かなり低く見積もられている」としている。
これまでも当局による死者数は議論の的となっていた。CNNなど報道機関は政府統計や、遺族や葬儀場への取材などを通じ、当局が発表した死者数に疑問を呈してきた。
これまでの推計ではハリケーンによる死者数は約1000人との見方が出ていた。
ハーバード大の調査チームは今年に入り、無作為に選んだ3299世帯を対象に死者などに関する調査を実施した。こうした結果を受けて、9月20日のハリケーンの襲来から2017年12月31日までにハリケーンが原因となった可能性のある死者数を試算した。
執筆者の1人は「違いは、現場に出向いて、取材を行ったことだ。統計学的には島の全員に取材を行ったようなものだ」と述べた。
それでも、正確な死者数は依然として不明なままだ。専門家は、どれがハリケーンが「原因」となった死者なのかどうか判断するのは難しいと指摘する。特にプエルトリコでは、何カ月にもわたって混乱と危険な状況が続いていた。