プーチン政権批判のロシア人記者、ウクライナで撃たれ死亡
(CNN) ウクライナ当局者らによると、同国で活動していたロシア人ジャーナリストのアルカジー・バプチェンコ氏(41)が29日、首都キエフ市内で何者かに銃で撃たれて死亡した。同氏はロシアのプーチン政権を批判する主張で知られていた。
ウクライナの国営通信ウクリンフォルムはバプチェンコ氏が勤めていたテレビ局の上司の話として、同氏が自宅アパートで背中を撃たれ、救急車で運ばれる途中で死亡したと伝えた。アパートの前で倒れているところを妻が発見したという。
ロシア外務省は声明で、同氏が襲撃を受けたと述べ、ウクライナの責任を追及。同国では報道関係者を狙った暴行、殺人事件が増えているにもかかわらず犯人が処罰されていないと批判し、独立機関による捜査を求めた。
これに対してバプチェンコ氏の上司は、同氏が担当していたのはウクライナのニュースでなく、ロシア政府による「犯罪行為」だと反論した。
バプチェンコ氏はウクライナやシリアに対するプーチン政権の政策に異議を唱え、ロシアは「侵略者」だとする批判を展開。その後、政治家に国外追放の対象と名指しされたり、インターネット上で住所を公開されたりする嫌がらせを受けたと訴え、昨年ロシアからウクライナへ移っていた。
青年時代にロシア軍兵士としてチェチェン紛争で戦い、その経験を振り返る著書も出版していた。