サウジ連合軍、イエメン港湾奪還の地上戦開始
(CNN) イエメン内戦でハディ暫定大統領率いる政権を支えるサウジアラビア主導の有志連合軍は13日未明、同国南西部にあり物資輸入の最重要拠点となっている港湾都市ホデイダの再奪還を狙う地上作戦に踏み切った。
暫定政権軍の幹部がCNNに明らかにした。空海両軍の支援を受け、地上軍が同市南東部の空港や周辺地域の制圧を狙い進軍した。
ホデイダ市はイランが後ろ盾となっている反政府武装組織フーシが制圧。国連は先週、同市のフーシ掃討戦が始まった場合、最悪で最多25万人の住民の安否が気遣われる事態になると警告していた。
フーシの司令官2人は、同派が攻撃したアラブ首長国連邦(UAE)軍の艦船がホデイダ市沖の紅海で炎上中と述べた。UAEの公式メディアは同国軍兵士4人がイエメンの戦闘で死亡したと報じたが、艦船攻撃との関連性には触れなかった。
国連によると、イエメン内で消費される食糧、燃料や医薬品の約9割が輸入に頼り、このうちの7割が同市経由となっている。
暫定政権と有志連合がホデイダ市を攻略すればフーシの紅海への進入ルートを封じ、内戦の行方に大きな意味を持つ。フーシは現在、首都サヌアを含む同国北部を、暫定政権側は南部の大半を押さえている。
内戦ではこれまで住民ら数千人が死亡。フーシは2015年、国土の多くを制圧し、有志連合が軍事介入に踏み切っていた。国連は内戦悪化を受け、世界最悪の人道危機と懸念。中東の主導権をめぐるサウジ、イランの代理戦争の様相も呈している。