メキシコ大統領選、左派のロペスオブラドール氏が優勢
(CNN) 中米メキシコで1日、現職の任期満了に伴う大統領選が投開票され、出口調査によれば、左派政党「国家再生運動」のアンドレスマヌエル・ロペスオブラドール氏が選挙戦を優位に進めている。大統領選には4人が出馬しているが、すでに2人が敗北を認めた。
投票が終わってすぐに、与党「制度的革命党」のホセ・アントニオ・ミード前財務公債相が支持者への演説で敗北を認めた。ミード氏は自分自身などに票が集まらなかったとし、ロペスオブラドール氏が「票の過半数」を獲得するだろうとの見通しを示した。国民行動党(PAN)のリカルド・アナヤ前党首も同じく、選挙戦での敗北を認めた。
今回の大統領選はペニャニエト大統領の任期満了に伴って実施された。メキシコの大統領職は1期6年。
今回の投票は大統領選以外にも地方選なども同時に行われる。約8900万人の有権者が経済政策の方向性など国の行方を決めることになる。
今回の選挙戦では、汚職や薬物関連の暴力などにさらされて育った若年層の投票が重要な鍵を握るとみられている。選挙当局によれば、18歳から23歳の有権者約1300万人が今回初めて投票に参加するとみられている。
ペニャニエト政権の下、殺人の発生率は過去最悪の水準となっている。ペニャニエト大統領に対しては犯罪や汚職、経済的不平等に適切に対処できなかったとの批判の声が出ている。
次期大統領は米国のトランプ大統領が掲げる北米自由貿易協定(NAFTA)からの離脱や米国とメキシコとの間の「国境の壁」建設といった政策に対処を迫られることになりそうだ。