ダイバー・技師・兵士――救出作戦のため世界各地から人員が結集 タイ洞窟閉じ込め
(CNN) タイ海軍特殊部隊(SEAL)が実施したタムルアン洞窟に閉じ込められた少年ら13人の救出作戦には、国外からの専門家のほか、国内からも数多くのボランティアが参加した。
救出作業では世界各地から集まったダイバーや技術者、医療スタッフ、軍要員が重要な役割を担った。
6月下旬に行方不明となった13人を7月2日に初めて見つけたのは英国のダイバー2人だった。
チームには、オーストラリアから洞窟でのダイビングの専門家で医師でもあるリチャード・ハリスさんも参加。報道によれば、英国人ダイバーからの依頼で休日の予定をキャンセルして現場に駆け付けたという。
8日に救出作戦が始まる前、タイSEALはフェイスブックに、団結を表す3本の腕を組み合わせた画像を投稿した。投稿には「我々、タイ海軍特殊部隊は、国際的なダイバーのチームとともに、サッカーチームを家に連れ帰る準備を整えた」とあった。
フェイスブックに投稿された画像
救出作戦にはSEALのメンバー110人が参加。中には、非番のものや、退役したものもいた。退役したSEALメンバーの1人は捜索活動中にボンベの酸素が切れて死亡していた。
元SEALメンバーの死は救出作戦の危険性を浮き彫りにした。このため、チームを2つにわけ、1人が少年の近くに張り付いてガイドロープを追えるようにし、もう1人は安全対策として少年の後ろについてすべてが計画通りか確認した。
数多くのボランティアとともに、世界各地からタイへ人員が送り込まれた。オーストラリアは警官のダイバー17人を派遣。米軍からも36人が参加したほか、中国からは救助の専門家6人が現地入りした。
オーストラリア連邦警察の幹部は「これが警察同士の連携であり、隣国とのパートナーシップの力強さを示している」と述べた。
米空軍幹部も救出活動への取り組みを「人間賛歌」と表現。「これは、タイが主導し、各国が参加する救出作戦だ。ここには、米国がいて、オーストラリア人や中国人、英国のダイバーもいる。これを目にするのは素晴らしいことだ」などと述べた。
国際的な企業からも資材や専門知識が提供された。米実業家のイーロン・マスク氏は子ども用の潜水カプセルをタイに送り届けてもいた。