カンボジア総選挙、与党が勝利宣言 野党は「茶番」と非難
(CNN) カンボジアで29日行われた下院選(総選挙)で、フン・セン首相率いる与党・人民党(CPP)が勝利を宣言した。これに対し野党は、数カ月間にわたるメディアへの締め付けや野党勢力への抑圧があったとして、選挙そのものが「茶番」だと非難している。
CPPの広報担当者は、議会下院125議席中100議席以上を同党が獲得したと発表した。
ただ最大野党の救国党(CNRP)は、昨年9月に党首が国家反逆容疑で逮捕されるなどして、事実上今回の選挙から締め出される形となっていた。
CNRPの幹部はインドネシアのジャカルタで30日に会見を開き、「2018年7月29日はカンボジアの民主主義が死んだ日として記録された」と主張。今回の選挙は「茶番」であり、カンボジアの憲法にも国際的な協定にも完全に違反するとの認識を示した。
選挙委員会によると、最初の集計の公式結果は来月11日に発表される予定。最終結果の公表は15日となる。
CPPの広報担当者は、「カンボジア国民を代表することのできる唯一の政党であるのを誇りに思う」と述べた上で、CNRPの幹部については外国で暮らした年月が長いと指摘。「カンボジア国民を理解し、代表しているとはとてもいえない」との認識を示した。
ホワイトハウスは声明を出し、29日の選挙に関して「自由でも公正でもなく、カンボジア国民の意思を代表するものとはならなかった」と批判。現政権に対し、政治的な敵対勢力への選挙からの締め出しをやめるよう求めた。