人身売買から逃れたカメルーン人女性、被害者支援に奮闘
アワさんが仕事をやめたいと申し出ると、その家族はあっせん業者に支払った3000ドルの返済を求めた。また母国に戻るための飛行機代も自己負担だった。
その家庭で勤務した2カ月間にアワさんが得ていた報酬は月75ディナール(約2万8000円)だったという。
希望の光
アワさんはある日、仕事中に勇気を出してテレビを付けた。そして気が付くと、現代のさまざまな強制労働についてレポートする「CNNフリーダム・プロジェクト」に見入っていた。
特にアワさんの心に響いたのは、モデルあっせん会社の元最高経営責任者(CEO)で、現在は米国で強制労働の撲滅に取り組む団体「フリーダム・フォー・オール」を運営するケイティ・フォード氏の特集だった。
アワさんは携帯電話のインターネットでフォード氏の詳細を調べ、フォード氏に連絡を取った。フォード氏は、アワさんに信頼できる大使館に駆け込むよう指示し、さらにカメルーンへの渡航費も負担した。
アワさんを雇っていたクウェート人家族は、アワさんの離職を阻止したり、3000ドルの返済を求めたことを否定した。過重労働についても否定し、アワさんの1日の労働時間はあっせん業者との契約通り8時間だったと主張している。しかし、アワさんがその契約書に署名していなかったことは認めた。