オーストリアの記者、トルコで拘束 大統領の批判記事を執筆
(CNN) トルコの警察は11日朝、首都アンカラでオーストリア人のジャーナリスト1人を拘束した。このジャーナリストの記事を掲載していた複数の媒体が明らかにした。
オーストリアの雑誌「リボルト」はツイッターを通じてCNNの取材に応じ、ジャーナリストのマックス・ジルンガスト氏がトルコ国籍の人物2人とともにテロ対策の当局者によって拘束されたと述べた。ジルンガスト氏は、トルコのエルドアン大統領について批判的な記事を執筆していた。
ジルンガスト氏が寄稿していたもう1つの雑誌「ジャコバン」は、今回の拘束を「恐るべき民主的権利の剥奪(はくだつ)」と非難した。
オーストリア外務省はCNNに対し、同国の市民が11日朝にアンカラで拘束されたことを確認。「アンカラにある大使館が、すでに本人の親族やトルコ当局と連絡を取っている」と説明した。CNNはトルコ外務省にコメントを求めたが、現時点で返答はない。
今年6月の大統領選の後、ジルンガスト氏は別の記者とともにジャコバン掲載用の記事を執筆していた。記事ではエルドアン大統領を「専制的な性格を一段と強める指導者」と評し、選挙の正統性を否定する見解も示している。
ジルンガスト氏と親交のあるドイツの政治学者はCNNに対し、同氏が近年より多くの期間をアンカラで過ごすようになっていたと証言。厳しい政権批判を理由に逮捕されるリスクについても認識していたと述べた。
複数の報道によれば、2016年のクーデター未遂以降、トルコではテロに関連した嫌疑で国内外のジャーナリスト数十人が拘束されている。