EU離脱交渉難航、トゥスク氏が「合意なき離脱」を警告
ブリュッセル(CNN) 英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる交渉が難航し、EUとの間で条件がまとまらないまま「合意なき離脱」に至る可能性が指摘されている。メイ首相が17日、EU加盟国首脳の会合で演説するのが実質的な期限となりそうだ。
事情に詳しい関係者がCNNに語ったところによると、先週末に開かれたEUと英国の交渉は合意成立の直前で決裂した。
英国の一部である北アイルランドと、EUに残留する加盟国アイルランドとの国境問題をめぐって意見が対立している。
南北アイルランド間の国境は、北アイルランド紛争を終結させた1998年の和平合意で非軍事化され、国境検問所も廃止された。EU、英国の双方とも、検問所を含む国境管理の復活を避ける方針では一致するが、その具体案が食い違っている。
EU側は北アイルランドだけをEUの関税同盟に残す形を提案しているのに対し、メイ氏は英国全体が一定期間、関税同盟にとどまる案を主張した。
EUのトゥスク大統領やマクロン仏大統領らはこれを強く拒否し、英国側の態度を批判した。
トゥスク氏は英国が「合意なき離脱」に向かって突き進んでいると警告。EUのバルニエ首席交渉官も「主要な問題が未解決のままだ」と明言した。
メイ氏は15日、英議会への緊急声明で「交渉では大きな進展があった」と強調する一方、アイルランドの国境をめぐるEUの提案は英国を分断することになると訴えた。