ジョンソン英外相が辞任、EU離脱相に続き メイ首相に打撃
ロンドン(CNN) 英国のボリス・ジョンソン外相が9日に辞任を表明した。前日にはデービッド・デービス欧州連合(EU)離脱担当相が辞任したばかり。閣僚2人の相次ぐ辞任でテリーザ・メイ首相率いる政権は混乱に陥り、EU離脱をめぐる亀裂の深さを露呈させている。
ジョンソン外相は辞表の中で、EU離脱について「不必要な自己不信で首を絞められ、夢は死にかけている」と述べ、メイ首相を強く非難。EUとの緊密な関係を描くメイ首相の構想は、英国を「植民地状態」に閉じ込めるもので、単なる「半離脱」にしかならないと批判した。
外相の辞任についてメイ首相は、「遺憾であり、やや意外だった」としながらも、「英国の利益のために必要とされるこの合意を支持できないのであれば、辞任は正しい」と突き放した。
EU離脱省では幹部のスティーブ・ベイカー氏も辞任した。
メイ首相は3日前の閣議では、離脱後のEUとの関係に関して閣僚の合意を取り付けたように見えていた。しかしこの計画は挫折し、メイ首相の政治的立場も見通せなくなっている。
同日午後の議会でメイ首相は、政権内の分裂と閣僚の辞任を認め、「国民投票の結果尊重に向けた最善の方策について合意できていない」と打ち明けた。
新しいEU離脱担当相には、ドミニク・ラーブ住宅担当閣外相を任命。外相にはメイ首相に近いジェレミー・ハント氏が任命された。