南北と国連軍、共同警備区域を非武装化 武器弾薬を撤去
ソウル(CNN) 韓国当局などは26日までに、南北軍事境界線がある板門店の共同警備区域(JSA)から全ての武器や弾薬を撤去したと発表した。JSAは南北の兵士が銃を携えて対峙(たいじ)する場所で、ビル・クリントン元米大統領がかつて「地球上で最も恐ろしい場所」と呼んだことでも知られる。
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、今回の象徴的な動きを機に南北間のさらなる緊張緩和につなげたい考えだ。
文大統領と金委員長は4月、両者初となる南北首脳会談をJSAで開催。南北を隔てる非武装地帯(DMZ)全域を「平和地帯」に変えると言明していた。
DMZ南部を管理する韓国と北朝鮮および国連軍司令部は今回、一帯のあらゆる地雷を除去し、JSAからは監視所や火器、弾薬をすべて撤去したと発表した。平壌で先月行われた3度目の南北首脳会談での合意の一環となっている。
韓国国防省によれば、10月初めに地雷除去と発掘の作業が始まって以降、地雷14発や爆発物187発、兵士の遺体2体が見つかった。
兵士の身元特定にはDNA鑑定が必要となるが、発掘チームは付近で発見されたIDタグをもとに韓国人の遺体との見方を示している。
南北は続けて、「不必要な監視装置」を撤去し、必要な場合は協議のうえで監視装置を設置するものとみられている。
26、27両日には非武装化の確認も行う。今後は非武装の要員70人が管理に当たる予定で、北朝鮮から35人、韓国と国連軍司令部から35人が派遣される。