ISISの犠牲者数千人の遺体、イラク国内200カ所以上で発見
(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に殺害された犠牲者数千人の遺体が集団で埋葬されている場所が、イラク国内で200カ所以上見つかった。国連が6日に公表した報告書で明らかにした。
報告書は国連イラク支援団(UNAMI)と国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)がそれぞれ発表した。これまでに見つかった集団埋葬地は202カ所に上っており、今後数カ月から数年でさらに増えると予想している。
集団埋葬地はかつてISISが支配していたイラク北部と西部のニネベ、キルクーク、サラーフッディン、アンバーの各県で見つかった。最大で1万2000人の遺体が埋められている可能性がある。
各埋葬地で発見された遺体の数は、最も規模の小さいモスル西部の埋葬地で8体だった。一方、モスル南部の陥没穴には4000人の遺体が埋められている可能性がある。
ISISは2014年6月から17年12月にかけてイラクで広大な地域を支配し、「イスラム国」を名乗っていた。
埋葬地を調べれば、被害者の身元確認の手がかりが見つかる可能性があるほか、虐待や暴行などの実態を解明して戦争犯罪や人道に対する罪、ジェノサイドに該当するかどうか判断する一助にもなるとしている。
ISISの犠牲者の中には女性や子ども、高齢者、障害者、イラク軍の兵士や警察官、外国人労働者なども含まれているという。
UNAMIの人権担当ディレクターはCNNの取材に対し、「集団埋葬地は事件現場として扱う必要があり、発掘された証拠は国際基準に従って刑事訴追のために使う必要がある」と指摘した。