レイプされ出産の女性、殺人未遂で起訴 法律で中絶できず エルサルバドル
(CNN) 中米エルサルバドルで義父に強姦(ごうかん)されて妊娠・出産した女性が、生まれた子どもを殺害しようとしたとして起訴された。同国は法律で一切の人工妊娠中絶を禁止している。
支援団体のCEJILによると、イメルダ・コルテス被告(20)は昨年4月、義父との間にできた子どもを仮設トイレで出産した。子どもは無事だったが、コルテス被告は殺人未遂の罪に問われた。
弁護人がトムソン・ロイター財団に語ったところによると、有罪になれば20年以下の禁錮を言い渡される可能性がある。コルテス被告は起訴内容を否認しているという。
エルサルバドルでは人工妊娠中絶が法律で厳格に規制され、たとえ強姦されて妊娠した場合でも、母親の生命が危険にさらされていたとしても、例外なく中絶は認められない。
コルテス被告の釈放を求める嘆願には5万近い署名が集まっている。
支援者らによると、コルテス被告は同国南部の貧しい家庭に生まれ、12歳の時から70歳の義父によって性的に虐待され続けていた。子どもが生まれた時は、自分が出産したとは認識しておらず、出血に気付いて悲鳴を上げ、病院に運ばれたという。
後に発見された赤ん坊は元気そうな様子だったといい、コルテス被告の母親に引き取られた。母親は今も、娘を強姦した男性と同居している。
エルサルバドルでは、女性が人工妊娠中絶したり、あるいは単純に流産しただけで、50年以下の禁錮を言い渡される可能性がある。中絶の合法化を求める市民団体によると、法律に基づいて起訴された女性は2000~2011年にかけて少なくとも129人に上り、「(コルテス被告と)同様のケースは数えきれない」という。