潜水艦の残骸を発見、不明から1年 アルゼンチン海軍
ブエノスアイレス(CNN) アルゼンチン海軍は17日、1年前から行方不明になっていた潜水艦「サンフアン」の残骸(ざんがい)が見つかったと発表した。
海軍幹部が記者団に語ったところによると、サンフアンは深さ約870メートルの海底に沈んでいるのが見つかった。海軍本部で待機する乗員らの家族に、船体の一部を撮った写真が公開された。
海軍は船体が確認される数時間前、海底に横たわる長さ60メートルの物体の画像をツイートし、サンフアンの可能性があると指摘していた。
アグアド国防相は記者会見で、同国にはこの深さから船体を引き上げられる装備がないと述べた。
サンフアンは昨年11月15日、乗組員44人を乗せてアルゼンチン南端のウシュアイアから東海岸の母港マルデルプラタへ向かう途中で行方不明になった。艦長から司令部へ、空気を取り入れる管に海水が入り、電気系統がショートしたとの報告が入った後で通信が途絶えたという。
当時この海域で、米国と核監視の国際団体が爆発のような音を観測していたことも明らかになった。
海軍は約2週間後、乗組員の生存は絶望的になったとして救出活動を打ち切り、船体の捜索に切り替えていた。
今年9月からは、海洋探査を手掛ける米企業「オーシャン・インフィニティ」が捜索を引き継ぎ、無人潜水機を使って海底を調べていた。
残骸は同社が発見し、現在も全体像の把握を急いでいる。同社CEO(最高経営責任者)は、アルゼンチン当局の依頼があれば船体の引き上げも可能だとしたうえで、「今後の対応は当局が決めることだ」と述べた。