極めてまれな血液型の2歳児、がん治療でドナー探し
(CNN) 極めてまれな血液型を持つ2歳の女の子ががんの治療を受けるため、輸血用の血液を求めている。少なくとも7~10人の提供者が必要とされるが、これまでに3人しか見つかっていない。
米フロリダ州南部の医療NPO、ワンブラッドによると、この女の子はパキスタン人の両親の間に生まれたザイナブ・ムガルちゃん。小児がんの一種、神経芽腫と診断され、化学療法を受ける必要がある。この治療に耐えるためには大量の輸血が不可欠だという。
ところがザイナブちゃんの血液型は、赤血球が「インディアンB」の抗原を持たないという珍しいケース。パキスタン、インド、イランのいずれかの家系に生まれた人にしかみられないうえ、適合の可能性があるのはそのうち4%に満たないという。O型またはA型という条件もある。
米赤十字と米血液バンク協会が共同でまれな血液型のドナー登録を推進している「アメリカン・レア・ドナー・プログラム(ARDP)」のデータベースには、12万人余りが計59種類の血液型を登録している。だがザイナブちゃんのドナー探しが始まった今年9月の時点で、適合者は1人もいなかった。
その後幸運にも米国内で2人、英国で1人の適合ドナーが見つかった。ザイナブちゃんは現在、通常の治療を受けているが、今後長期的に輸血が必要になることは確実だという。
ワンブラッドは協力を呼び掛けるビデオを制作し、ARDPと共同でドナーを探している。ザイナブちゃんの父親はビデオを通し、「娘の命は血液にかかっています」と訴えた。