独極右政党の議員、暴行され意識不明に 「政治的動機」と警察
(CNN) 反移民を掲げるドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に所属する議員が、覆面をした少なくとも3人の男から殴る蹴るの暴行を受け、意識不明の状態に陥っていたことが9日までに分かった。警察は「政治的な動機」に基づく犯行との見方を示している。
暴行を受けたのはAfDの議員で北西部ブレーメン州の党支部を率いるフランク・マグニッツ議員(66)。7日午後、市街を歩いていた際、覆面をした男らに襲われた。
AfDの声明によると男らはマグニッツ議員を木片で殴って意識を失わせ、倒れた同議員の頭部を「さらに蹴りつけた」という。
AfDは意識不明のまま病院のベッドに横たわるマグニッツ議員の写真を公開。その額には大きな切り傷がつき、顔は腫れあがって血が流れている。
ブレーメンの警察は、現場を通りかかった2人の職人が地面に倒れているマグニッツ議員を見つけて救急車を呼んだと説明。声明を発表し、「政治的な動機に基づく犯行であると想定できる」と述べた。
AfDのアレクサンダー・ガウラント党首は8日に記者会見を開き、マグニッツ議員について、現在は意識を取り戻しており、全快する見通しだと明らかにした。同議員への暴行に対してはあらゆる政党から非難の声が上がっており、メルケル首相の報道官も「犯人の早期逮捕」への期待を表明した。
5年ほど前に創立されたAfDは、反移民と反イスラムを訴えて2017年の連邦議会選を戦い、全体の13%近い票を獲得。極右政党として1961年以来初めて、連邦議会での議席を得ていた。