世界初の遺伝子編集ベビー、中国当局が違法と認定
(CNN) 中国の研究者が遺伝子編集された子どもを世界で初めて誕生させたと発表した問題で、国営新華社通信は21日、中国の法律に違反して実験が行われたことを当局が確認したと伝えた。
中国の研究者、賀建奎氏は昨年11月、遺伝子に手を加えてHIVに耐性を持たせた双子の女児が誕生したと発表し、国際社会の非難の的になった。賀氏は後に、研究の成果として2人目の女性が妊娠していることを明らかにした。
この時点で中国の国家衛生当局は、広東省の衛生当局に対し、賀氏の主張について徹底調査を行って、事実関係を確認するよう指示していた。
新華社通信によると、広東省の衛生当局はこれまでの調査の結果、国の法律で禁止されている生殖を目的とした人の受精卵編集が賀氏によって行われていたことが分かったと発表。賀氏の研究は個人的な名声と財産を追求したもので、自ら資金を集め、故意に監視の目を逃れて関係する人員は個人的に採用したと断定した。
当局はさらに、賀氏がHIV陽性の患者の生殖支援を禁じた法律をかいくぐるため、倫理審査のための文書や血液検査の結果を改ざんしたとの見方を示している。
倫理委員会の承認文書については、書類に記載されていた病院のうちの1つが関与を否定したことから、信憑性(しんぴょうせい)に疑問が生じていた。
中国当局は、賀氏や研究にかかわった人物について、法に従って厳正に対応し、事件性が疑われる場合は公安局に引き渡すとしている。
生まれた子どもや妊婦については、広東省が関係機関と連携して経過観察や検診を行うとしている。