街中に数十頭のホッキョクグマ、住民の日常生活にも支障 ロシア
(CNN) 北極圏にあるロシア領のノバヤゼムリャ列島で、住宅地などに出没するホッキョクグマが急増して住民を不安に陥れている。国営タス通信が伝えた。
ノバヤゼムリャ列島では昨年12月以来、ホッキョクグマが頻繁に出没するようになった。最大の入植地ベルーシャグバ(人口約2500人)では50件以上の目撃情報が寄せられている。
地元当局者によると、ホッキョクグマが人を襲ったり、建物に侵入したりする被害も続出。ベルーシャグバには常時10頭ものホッキョクグマがいるとの報告があり、9日には非常事態宣言が出された。
住民は怖がって外出を避け、日常生活に支障が出ている。子どもを通学・通園させる保護者も不安感を募らせているという。
ホッキョクグマは、生息地としている海氷が気候変動の影響で縮小し、陸地で過ごす時間が長くなって人との接触が増えている。
世界自然保護基金(WWF)は人とクマの遭遇を避けるため、北極圏地域でパトロールなどの対策を支援。騒音を発生させる装置を設置したり、公共の場の照明を明るくしたり、クマに壊されない食品保存コンテナを導入するなどの対策を進めているほか、クマが街に出没した場合の安全手順を定めている。ゴム弾が使われることもある。