家族から逃れたUAE女性、マケドニアが亡命申請を却下
(CNN) アラブ首長国連邦(UAE)の家族のもとから逃れた女性がマケドニアに亡命を申請したが却下され、インターネット上のビデオを通して助けを求めている。
CNNが入手したビデオによると、ヒンド・ムハンマド・ボルッキさん(42)は夫との離婚を望んでいたが、家の名が汚れるとの理由で家族に強く反対された。パスポートまで取り上げられそうになったため、4人の子どもを置いて逃げ出すしかないとの決断に至ったという。
ボルッキさんはビデオ収録後の昨年12月7日から、マケドニアの移民収容施設に拘束されている。
拘束後にボルッキさんのツイッター・アカウントを管理しているマケドニア在住の友人男性、ネナド・ディミトロフさんによると、ボルッキさんは昨年10月2日、家族のもとから靴も履かずに逃げ出し、陸路バーレーンまでたどり着いた。以前クルーズ船で知り合ったというディミトロフさんにそこから連絡を取り、「ほかに頼る人がいないのでチケットを取ってくれないか」と依頼した。
ボルッキさんはトルコ経由でセルビアへ飛び、10月4日にマケドニアへ入国。2週間後に亡命を申請した。
女性による亡命申請はマケドニア当局に却下された/HAlbolooki / Twitter
しかしマケドニア当局は、ボルッキさんが人種や宗教、政治上の理由などで迫害された形跡はみられず、帰国後に重大な危険にさらされるとも考えられないとして、今月4日に申請を却下した。自主的な出国を促すため15日の猶予期間が設けられたものの、拘束は現在も続いている。
これに対して人権団体などは、ボルッキさんが帰国すれば厳しい罰を受ける恐れがあると主張する。マケドニアが亡命申請を却下した背景には、UAEによる投資を通じたソフトパワーの行使があるとも指摘されている。