ローマ法王フランシスコ、UAEに到着 湾岸諸国を初の歴訪
(CNN) ローマ法王フランシスコは4日までにアラブ首長国連邦(UAE)に到着し、就任以来初となる湾岸アラブ諸国への外遊をスタートさせた。
アラブ諸国歴訪に先駆けてバチカンが公開したビデオの中で、フランシスコ法王は今回の外遊が新たな1ページとして宗教関係史に書き込まれると強調。信仰が異なる人々もそれぞれ兄弟であり姉妹であることを確認するものになるとした。
UAEはイスラム教徒が圧倒的多数を占めるが、出稼ぎで暮らしているインド人やフィリピン人をはじめとする約120万人のキリスト教徒がいる。
フランシスコ法王はUAEの首都アブダビに3日間滞在する予定。5日にスポーツ施設で行われるミサには約13万5000人が参列すると見込まれる。
イスラム教が支配的な国をフランシスコ法王が訪れるのはこれで7カ国目となる。イスラム世界との架け橋を作りたいとする法王は、イスラム教を暴力と結びつける見方を否定。すべての宗教には原理主義的要素が存在するとしたうえで、それぞれの指導者が連携してあらゆる形態の原理主義や暴力に立ち向かわなくてはならないと訴えている。
UAEは2016年に寛容相を任命するなど、公的な取り組みによって宗教の共存を進めているとアピールする。その一環として19年を「寛容の年」と宣言している。
ただ人権団体や活動家からは、こうした動きは「表向き」のものにすぎず、体制に批判的な人々に対する弾圧は近年強化されていると指摘する声が上がっている。