北朝鮮が不法取引拡大、経済制裁無視 国連報告
(CNN) 北朝鮮が国連安保理の制裁決議に違反し、石油の輸入や石炭の輸出といった不法な取引を「大規模に」拡大していることが分かった。国連の専門委員会による報告書で明らかになった。
委員会が11日に公開した400ページの報告書によると、北朝鮮政府は中東での武器売却や世界中の金融機関に対するハッカー攻撃も試みているという。
先月には米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がベトナムの首都ハノイで2度目の米朝首脳会談を行ったが、制裁解除の時期などで折り合えず、合意を結ぶことなく交渉を打ち切っていた。米国側は北朝鮮に対し、解除の条件として一段の非核化を求めていた。
報告書は、北朝鮮が制裁を無効化する手段として、海上で石油製品や石炭を違法に積み替える「瀬取り」を拡大していると指摘。日本政府も北朝鮮の船舶による瀬取りの横行を確認している。
報告書はまた、各国の銀行や保険会社が「意図せずして」こうした瀬取り行為を容易にする役割を果たしていると非難した。
さらに北朝鮮が武器禁輸の措置にも違反し、小型武器や軽量兵器などの装備をリビア、スーダン、イエメンの反体制派に供給していると主張した。これらの取引には国外の仲介業者が関与しているという。