サウジ脱出の姉妹、ジョージアで亡命模索 身元公表し苦境訴え
(CNN) 家族からの虐待を理由にサウジアラビアを出国し、ジョージアで他国への亡命を模索しているサウジアラビア人の姉妹2人が20日までに、身元を公表して国際社会に助けを求めた。
2人はワファ・ザイード・スバイエさん(25)と姉のマハさん(28)。自宅に閉じ込められ、男性の親戚から言葉や身体の虐待を受けたと主張している。姉妹は脱出計画を約5年かけて練ったという。
マハさんは「父は私の子どもの目の前で私を殴ろうとする」と述べ、9歳の息子を家に残してきたことに涙を浮かべた。こうした行為が出国の決め手となったという。「私は男性の親戚の言いなりになって生きていたが、こんな人生よりは死を選ぶ」とも語った。
現在はジョージアの首都トビリシにいる。2週間近く他国への亡命を求めてきたものの実現せず、公に苦境を訴える道を選んだ。17日にツイッターのアカウントを立ち上げ、人権団体や亡命申請できそうな国に助けを求めた。
マハさんは動画で「危険な状況にいる。私たちの声を届けるには皆さんの助けが必要だ」「私たちを受け入れ保護してくれる国がほしい。どうか助けて」と訴えた。
CNNのインタビューに応じた姉妹=18日/Sophiko Vasadze/CNN
身元を証明し主張の正当性を訴えるため、サウジのパスポート写真も公表した。オーストラリア旅行のビザ(査証)を申請しようとしたところエラーメッセージが帰ってきたことから、姉妹はパスポートが「停止」されたと考えている。
身元を公表した翌日、ジョージアの法執行当局は2人の居場所を突き止めた。CNNは姉妹がおびえた表情で警察の質問を受ける場面を目撃した。ジョージア内務省は訪問の目的について、「支援と身の安全を提供するためだった」としている。
サウジの厳格な後見人制度の下では、姉妹による独自の判断での出国は犯罪に当たる可能性がある。
サウジでは男性の親戚が生涯にわたり女性の生活を管理しており、実質的に永久に未成年者という扱いだ。姉妹はサウジの後見人法が虐待の正当化と、虐待する側の保護につながっていると主張している。