スペイン総選挙、与党勝利も過半数に届かず 新興極右が躍進
(CNN) 28日投開票のスペイン総選挙で、サンチェス首相が率いる中道左派の与党・社会労働党(PSOE)が第1党となったが、単独過半数は確保できなかった。一方で新興の極右政党ボックスの躍進が目立った。
開票率98%の時点で政府報道官がPSOEの勝利を宣言した。下院の350議席中、PSOEは123、中道右派の最大野党・国民党(PP)が66、新興の中道右派シウダダノスが57、左派ポデモスが35、ボックスが24の議席をそれぞれ獲得した。
サンチェス氏は首都マドリード市内の党本部前で支持者らを前に演説し、2016年の前回選挙より38議席も増えたと強調した。
ただし単独政権に必要な176議席には届かず、ポデモスやバスク民族主義党、北東部カタルーニャの独立を主張する少数政党などと連立政権を組む可能性がある。
サンチェス氏の演説は、シウダダノスとの連立に反対する声で何度もさえぎられた。
スペイン総選挙で投票する修道女たち=28日/Emilio Morenatti/AP
シウダダノスも16年の25議席から大きく勢力を伸ばした。一方、PSOEと並ぶ二大政党と位置付けられてきたPPは、同年より71議席も減らす大敗を喫した。
ボックスの議席数は予想を下回ったものの、極右政党としては異例の勝利を収めて下院進出を果たした。
同国の総選挙はこの4年間で3回目だったが、投票率は75.77%と、1996年、93年に続く史上3位を記録した。