世界の軍事支出、米中で世界のほぼ半分に 国際平和研究所
(CNN) スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)がこのほど発表した報告書によると、世界の軍事支出は2018年、主に米国と中国が押し上げる形で増大した。米中を合わせた軍事費は、世界のほぼ半分を占めている。
2018年の世界の軍事支出は前年比2.6%増の1兆8220億ドル(約203兆円)となり、信頼できる統計が取られ始めた1988年以来最大の規模だった。
軍事支出が最も多かったのは米国の6490億ドルで、世界の軍事費に占める割合は35.6%。支出額は2位以下の8カ国を合わせた額にほぼ匹敵する。
2位の中国は5%増の2500億ドルとなり、24年連続で増大した。世界の軍事費に占める割合は14%だった。
次いでサウジアラビア(676億ドル)、インド(665億ドル)、フランス(638億ドル)、ロシア(614億ドル)、英国(500億ドル)、ドイツ(495億ドル)、日本(466億ドル)、韓国(431億ドル)の順だった。
SIPRIによると、アジアとオセアニア地域では、アジア諸国間の緊張状態や米中の対立に加速される形で軍事支出が増大した。この地域の軍事支出は5070億ドルと、世界総額の28%を占めている。
一方、ロシアの軍事支出は過去2年で減少しているが、ロシアの脅威増大を認識するポーランドやウクライナなど中欧や東欧諸国の支出は大幅に増えた。
南米諸国の軍事支出は3.1%増えた一方で、アフリカは8.4%減、中東は1.9%減だった。中東の減少は、サウジアラビアが「債務や過剰支出」を理由に支出を削減したことに関係するとSIPRIは分析している。