スリランカの町で暴動、イスラム教徒の店舗など襲撃
スリランカ・コロンボ(CNN) スリランカで先月起きた連続爆破テロの現場のひとつ、西部ネゴンボの近郊で、カトリック教徒らの集団がイスラム教徒の車や店を襲う暴動が起き、教会が平静を呼び掛けた。
軍情報機関の関係者が匿名を条件にCNNに語ったところによると、ネゴンボ近郊の村ポルトタで5日、カトリック教徒の集団が三輪タクシーの車内を調べようとして、イスラム教徒の運転手と口論になり、これが暴動に発展した。
夜にかけて数十人の集団が路上で暴れ、三輪タクシーが放火されたり、イスラム教徒の店2軒が襲われたりした。CNNが入手した現場の映像には、街にがれきが散乱し、男たちが棒を振り回す場面が映っている。
ウィクラマシンハ首相は声明で、暴動で被害を受けた人には政府が補償金を出すと表明した。
警察の報道官は6日の記者会見で、酒に酔った2つのグループが騒ぎを起こしたと説明した。村には警官らが増派され、夜間外出禁止令が出された。
スリランカのカトリック教会の指導者で最大都市コロンボ大司教のマルコム・ランジス枢機卿も飲酒の問題を指摘し、この地域の酒店を閉鎖するよう呼び掛けた。さらに「一部のグループが地域社会の憎悪や宗教間の対立をあおっている」と警告。「カトリック教徒はイスラム教徒に対して手を上げないでほしい」と訴えた。
先月21日の連続爆破テロでは250人以上が死亡、500人が負傷した。ネゴンボの教会では復活祭(イースター)の礼拝に集まった信者ら100人以上が死亡した。イスラム過激派による犯行とみられ、地元のキリスト教、イスラム教の指導者らは宗教間対立による暴力を懸念している。