サウジのタンカーなど4隻に「破壊攻撃」 UAE発表
(CNN) アラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ沖で、船舶4隻が12日に「破壊攻撃」を受けたとUAEが発表した。このうち1隻はUAE船籍、もう1隻はノルウェー船籍で、残る2隻はサウジアラビアの保有するタンカーだった。サウジアラビアは、世界の石油供給の安全を脅かす事件と位置付けている。
UAE外務国際協力省によると、死傷者は出なかった。破壊攻撃の具体的な内容は明らかにしておらず、関与が疑われる国や組織についても言及していない。
中東地域では、イランとの関係悪化を受けて米軍が追加配備を行い、産油国の間で緊張が高まっていた。
イラン外務省報道官は13日、事件について遺憾を表明し、さらなる情報の提供を求めた。「悪意を持つ者が地域の安全を乱そうとたくらんでいる」とも述べ、この地域の各国に警戒を促すとした。
事件はオマーン湾のUAEの領海で発生し、ノルウェー船籍のタンカーは船体を損傷した。同船の管理会社は13日、正体不明の物体が当たって船体が損傷したことを確認。沈没の恐れはないとしている。
ノルウェー船籍のタンカーをとらえた画像。船体の損傷が確認できる/CNN
国営サウジ通信(SPA)によると、サウジ船のうち1隻は、原油を積み込むためにサウジのラス・タヌラ港に向かう途中だった。原油は米国の顧客に届ける予定だった。死傷者や原油の流出には言及していないものの、2隻とも船体に大きな損傷を受けたとしている。
米当局者によると、UAEは13日、船体の損傷の程度を調べるため、米国に対して正式に技術支援を要請した。米国の専門家が損傷パターンを調べて現場から証拠の回収を試み、ミサイルや兵器が使われた可能性について調べる。
米海事当局は先週、この地域の石油製造施設や商船が「イランあるいは代理勢力」に狙われる可能性があるとして警戒を呼びかけていた。