脳炎で死亡した子ども100人超す、ライチとの関係は依然不明 インド
(CNN) インド東部のビハール州で、脳炎のために死亡した子どもが過去3週間で100人を超えた。18日には保護者らが病院前に集まり、政府に対する抗議運動を展開している。
衛生当局によると、同州ムザファルプルではこれまでに、子ども少なくとも109人が脳の炎症や感染症のため死亡した。原因については、ウイルスまたは果物のライチに関連した環境毒素に起因する神経疾患の急性脳炎だったと診断されている。
地元メディアは、涙を流す母親や、担架に乗せられた乳児に付き添ったり子どもを抱いたりして病院に駆け込む親たちの様子を伝えた。
同地にある2つの病院には今年に入って400人以上の子どもが、発熱や目まいなどの症状を訴えて入院していた。
急性脳炎はウッタルプラデシュ、ビハール、西ベンガルなどの州に広がっており、患者は貧困層の多い地域に集中している。こうした地域は記録的な猛暑に見舞われていた。
急性脳炎の原因がウイルスなのか毒素の摂取によるものなのかについては、インドの専門家もまだ特定できていない。
同様の急性脳炎は、過去にベトナムやマレーシアでも流行したことがあり、原因についてはウイルスや特定種の蚊、ライチとの関係が指摘されていた。
研究論文や地元当局者も、原因の究明にかかわる重大な要因としてライチを挙げているが、「ライチと急性脳炎との関係は依然としてはっきりしない。他のウイルスと同様、我々はライチの生産や収穫に関連すると思われる多面的な問題に直面している」と指摘する。
ムザファルプルはライチの生産地として知られる。ただ、インドの専門家は「ウイルスなのか、食べ物に含まれる毒素なのかは分からない」と話している。