シンガポールで象牙8.8トンを押収 過去最大規模
(CNN) シンガポールを通過する貨物の中から一度に8.8トン、ゾウ300頭分近くの象牙が押収されたことが分かった。同国で摘発された象牙の密輸としては過去最大の規模だ。
シンガポールの入国管理局と国立公園局が23日の共同声明で発表した。それによると、象牙は今月21日、アフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)からベトナムへ送られる貨物の検査で、木材が入っているはずのコンテナ3台から出てきた。時価1290万ドル(約14億円)に相当する。
同国では4月にも177キロの象牙が押収されていた。
象牙は中国などで富の象徴とされ、伝統的に需要が高い。世界自然保護基金(WWF)英国の責任者ターニャ・スティール氏によると、この需要を満たすためにアフリカで毎日約55頭のゾウが殺されているという。
21日に見つかった密輸品の中には、希少なほ乳類「センザンコウ」のうろこ11.9トン、約2000頭分も含まれていた。時価にして3570万ドル(約39億円)相当とされる。
うろこは漢方薬などの材料として珍重され、同国で今年押収された量は計37.5トンに上っている。