オーストリア総選挙、クルツ前首相が返り咲きへ
(CNN) オーストリアで29日、国民議会の解散を受けた総選挙が行われ、中道右派の国民党が得票率約37%で第1党となる見通しであることがわかった。 公共放送のオーストリア放送(ORF)の初期の見通しによれば、国民党の得票率は約37%。極右の自由党の得票率は16%で2017年の選挙の同26%から大きく数字を落とした。
オーストリア議会は国民党の連立相手だった自由党の汚職疑惑を受けて解散していた。クルツ前首相に対しては5月に不信任案が可決していた。オーストリアで首相に対する不信任案が可決されたのは第2次世界大戦以降初めてだった。
クルツ氏への不信任案は汚職をにおわせる隠し撮り動画の存在が引き金となった。動画には、自由党のシュトラッヘ副首相がロシア富豪のめいと称する女性に対して利益供与を持ちかけているとみられる様子が映っていた。映像は2年前にスペインのイビサ島で撮影されたもので撮影者は不明。シュトラッヘ氏は不正行為はしていないと主張している。
スキャンダルを受けて、国民党は自由党と距離を置いた。
クルツ氏が首相に返り咲くとみられているが、再び自由党と組むのか、連立相手を緑の党などの左派から選ぶのか決断を迫られることになりそうだ。連立協議は時間がかかる可能性もあり、交渉がうまくいかなければ、少数与党となるか、あるいは再選挙の可能性もある。