ウォンバットに石投げる警官、動画公開され非難殺到 オーストラリア
(CNN) オーストラリア中部の南オーストラリア州で、非番の警官がウォンバットに石を投げ、死んだ様子を誇らしげに喜ぶ場面を映した動画が公開されて非難の的になっている。
問題の動画はウォンバット保護団体が2日にフェイスブックに掲載した。動画の中の男は車の横を走りながらウォンバットに向かって何度も石を投げていた。
最後に投げた石が頭に当たってウォンバットが倒れると、仲間たちが「殺したな」などと誇らしげに声をかけていた。
南オーストラリア警察は、動画に映っていた男の身元を突き止め、捜査に着手したことを明らかにした。
警察トップは3日、「嫌悪すべき行為であり、断じて容認できない」と断言。警察官や職員が行うべき行為では決してないと強調した。
インターネットの署名サイトでは、この動画をきっかけとしてウォンバットの保護を求める呼びかけが行われ、これまでに8万人を超す署名が集まっている。
保護団体の創設者ブリジット・スティーブンズ氏によると、動画は先住民アボリジニの一家から提供を受け、フェイスブックを通じて公表に踏み切ったという。公表前に関係機関に通報したが、そのまま隠蔽されてしまったと訴えている。
オーストラリアでは法律に基づき先住民のウォンバット猟が認められており、この警官も先住民社会に属していた。しかしスティーブンズ氏によると、先住民の指導者の多くは、この警官の行為はアボリジニの伝統に反すると見なしているという。
一方で、アボリジニの間でも見方は分かれている。この問題を受けて別のアボリジニの人々からスティーブンズ氏に連絡があり、動画に映っている男性たちについて、家族を養おうとしていただけだと訴えたという。