収容者数百人を目隠しで護送か、ネットに動画 新疆ウイグル自治区
(CNN) 目隠しをされ、後ろ手に縛られた数百人の男性が、中国の警察官の先導で鉄道駅の中庭のような場所に引き出されたとみられる動画がこのほどネット上に公開された。これを受け、中国北西部・新疆ウイグル自治区の施設に収容されたイスラム教徒らへの弾圧を巡り、新たな懸念の声が上がっている。
ドローンで上空から撮影したとみられるこの動画は先週、匿名で公開された。頭をそられた数百人の男性が鉄道駅の中庭らしき広い場所に座っている。男性の多くは紫とオレンジのベストを着用しており、そこには「カシュガル拘置所」の記載がある。
目隠しをされたこれらの男性を、特別機動隊(SWAT)の制服を身に着けた警察官数十人が監視している。
CNNはこの動画の信憑(しんぴょう)性や撮影された日付を独自に確認できていない。動画について、中国外務省へ繰り返しコメントを求めたが返答はなかった。
新疆の当局者は4日、CNNに向けた声明で「法に準拠した犯罪の取り締まりは、あらゆる国で共通して行われている」と強調。「新疆での犯罪取り締まりは、民族や宗教と一切関係がない。司法当局が拘置所の収容者を護送するのは普通の司法行動だ」と述べた。
中国の受刑者は通常、護送の際に目隠しをされる。動画の男性らが犯罪行為のために拘束されているのか、あるいは別の理由によるのかは不明。
この2年半、中国はウイグル族や、イスラム教徒が多数を占める少数民族の出身者を数十万人拘束してきた。政府はこれらの人々を収容する施設を「反過激主義の教育」や「職業スキルの訓練」を行うセンターだと説明している。
しかし元収容者がCNNに語ったところによると実態は捕虜収容所に近く、内部では虐待や暴力による脅迫が横行しているという。