ウナギ稚魚の密輸図った中国人男女、フランスで逮捕 1人は逃走
(CNN) 中国人の男女がウナギの稚魚をフランスから密輸しようとしたとして、フランスの裁判所で10カ月の執行猶予付き禁錮と、それぞれ7000ユーロ超の罰金を命じられた。
20歳の女と43歳の男は10月28日、パリのシャルルドゴール空港から中国へ向けて出国しようとしたところ、荷物の中に約60キロ分の稚魚を隠し持っているのが見つかって逮捕された。
裁判所の広報によると、稚魚は小型冷蔵装置付きの特製容器に入れ、荷物の中に隠していたという。
2人はそれぞれ7620ユーロ(約92万円)と7455ユーロ(約90万円)の罰金を命じられた。
もう1人の中国人は、30キロの稚魚が入ったスーツケースを残して空港から逃走した。
3人が持っていた稚魚を合わせると、中国での再販価格は最大で18万ユーロ相当になる。稚魚は税関から種の保護団体に引き渡された。
ヨーロッパウナギは中国で1キロ当たり5500ドル(約60万円)の値がつくこともある。そのためここ数年で密輸が急増し、欧州警察機関(ユーロポール)によると、2018年は欧州連合(EU)で前年比50%増の1500万匹が押収されていた。
ユーロポールの推定では、欧州からアジアへ密輸されるウナギは年間3億~3億5000万匹、33億ドル相当に上る。
香港大学の専門家によると、アジアのウナギはかつて日本ウナギが主流だったが、乱獲によって崩壊状態となったため、ヨーロッパウナギが台頭した。ヨーロッパウナギは2009年に絶滅の恐れがある種に指定され、10年にはEUが輸出を禁止している。