議事堂が史上初の浸水被害、気候変動対策否決の直後に ベネチア
(CNN) イタリアの水の都ベネチアを流れる大運河に面したベネト州議会の議事堂が、史上初めて浸水被害に見舞われた。この直前、州議会は気候変動対策を盛り込んだ予算の改正案を否決していた。
ベネチアでは今週に入り、過去50年あまりで最悪の洪水が発生している。
フェッロ・フィニ宮殿内にある議事堂は、現地時間の12日午後10時ごろから浸水が始まった。州議会で2020年度予算案の審議が行われているさ中だった。
環境委員会の副委員長を務める野党民主党の議員はフェイスブックへの投稿で、「皮肉なことに、気候変動対策を求める我々の修正案を与党連合が否決した2分後に、議事堂が洪水に見舞われた」と伝えている。
LA LEGA DI ZAIA VOTA CONTRO I NOSTRI EMENDAMENTI SUL CONTRASTO AI CAMBIAMENTI CLIMATICI E DOPO DUE MINUTI L’AULA...
Andrea Zanoniさんの投稿 2019年11月13日水曜日
否決された修正案には、再生可能資源への予算拠出や、ディーゼルバスの入れ替え、汚染の原因となる暖房設備の廃棄、プラスチックの影響抑制などが盛り込まれていたという。
州議会の広報はCNNの取材に対し、2020年度予算案の審議中に議事堂が浸水被害に見舞われたことを確認した。ただ、具体的にどの内容について審議していたのかは明らかにしなかった。
与党側はCNNに寄せた声明の中で野党の主張に反論し、「気候変動の決定的要因である大気汚染やスモッグ対策のために、我々は過去3年で9億6500万ユーロ(約1000億円)を拠出した予算案を可決している」などと強調した。
14日と15日の議会は、トレビーゾに場所を移して審議が行われる。
ベネチアのブルニャーロ市長は12日、異常な高潮は気候変動によって引き起こされたとの見方を示していた。