ドイツ元大統領の息子、講演中に刺されて死亡
(CNN) ドイツの大統領だった故リヒャルト・フォン・ワイツゼッカー氏の息子が19日夜、首都ベルリンの病院で講演中に刃物で刺されて死亡した。地元警察が明らかにした。
ベルリン警察によると、現地時間の19日午後7時ごろ、元大統領の息子で医師のフリッツ・フォン・ワイツゼッカー氏(59)がベルリン市内の病院で講演していたところ、室内にいた男が近寄ってワイツゼッカー氏を刃物で刺した。
ワイツゼッカー氏は現場で死亡し、57歳のドイツ人の男が逮捕された。
男を取り押さえたのは、33歳の非番の警官だった。この警官も重傷を負って手当てを受けたが、命に別条はなさそうだという。
警察は殺人事件として捜査しているが、現時点で動機は分かっていない。容疑者は20日に出廷する。
ワイツゼッカー氏は元大統領の4人の子どもの1人で、内科と消化器科の専門医だった。
父のリヒャルト・フォン・ワイツゼッカー氏が大統領だった1984~1990年は、ベルリンの壁が崩壊して東西ドイツ統一が実現した時代だった。1985年に第2次世界大戦終結から40年を記念して行った演説では、ドイツの過去を忘れてはいけないと訴えていた。